「好きな人の幸せを望むため、自分をぎせいにするのがほんとうの愛なのかな?」

ボソッと呟いた僕の小さな声が聞こえたのか、女神様は「どういうこと?」と言った。

好きな人のために、自分をぎせいにした彼は尊敬できた。けれど、それは好きな人と一緒にいることをあきらめたように思えた。

「いや、ほんとうに愛しているのなら、好きな人と一緒に死ぬのが〝愛〟じゃないのかなぁっと思って」

ゆっくりと開いた口から言ったのは、自分の〝愛〟に対する考えだった。

彼が選択した愛に対する考えは否定するつもりはないが、自由にすることがほんとうの〝愛〟ではないと思った。好きな人と天国でも一緒にいてあげられるのが、ほんとうの愛表現だと思った。

「それは愛じゃなく、束縛だよ」

女神様は、ピシャリと僕の〝愛〟に対する考えを否定した。

女神様に僕の愛表現を否定されてショックだったが、心の中ではその行動を認めている自分もいた。