子供のころ、よく神社に行って賽銭箱にお金を入れて願いを言っていたが、叶ったことはなかった。それは、高校生になっても神社に賽銭箱にお金を入れて願いを言っても、もちろん叶ったことがなかった。子供のころと違って願いは変わっているが、未だに叶ったことは一度もない。

「神様、僕の願いを叶えてください」

そう投げやりに言って、いつもどおり僕は賽銭箱に小銭に放り投げた。お金のチャリンという音が聞こえたのと同時に、賽銭箱の底に僕が投げた小銭が落ちたことがわかった。

僕はパンパンと手を二回叩いた後、頭を深く下げて心の中で数秒間願いを祈ったが、なんの反応もなく、あきらめていつもどおり家に帰ることにした。