王都で剣士だった両親に
4歳の頃から剣術と勉学を学ばされ、
16歳となった今では、簡単にAランクの
魔物を一人で倒す事が出来て、それ以上に研究者並みの知識がついてしまったが、
僕にとっては、これが普通で周りと
比べれば弱い方だと思っていたが

「そうでもないぞ」と町の人に言われた。

住んでいる、小さな町は魔物に襲われる
事のない程、安全な所で町の人も
優しい人ばかりで、疑う事の知らない
綺麗な心を持つ人が多く、

僕が8歳の時、盗賊が商人に変装して
町に来て、金を奪って逃走した後、手下が
町を襲って来たが父さんと母さんが一瞬で
盗賊を追い払い、盗まれた金も取り戻し、

町の人たちからは、尊敬されて敬われる
存在になっていて、僕もそんな存在に
なりたくて母さんや父さん見たいに
強くなるために、今まで以上に剣術や勉学に励んで必死になっていた。

12歳の時に初めてC級の魔物を倒し、
晩飯の調達は、自然と父さんから僕の
担当になった。

16歳の誕生日に父さんと遠出をして、
声を掛けられる度に女の子と勘違いされて
指摘すると「詐欺だ!」とか言って
怒らせてしまった。

幼い頃から女の子と勘違いされてしまう
この顔が嫌だったけど、仕方のないこと
だから諦めて、怒られるのは好きじゃないけど、勘違いされる度に指摘をしている。

用事が終わって、家に帰ったら
豪勢な料理が並べられていて、
母さんが笑顔で迎えに来てくれた。

凄く、嬉しかった…
次の日は、何時も通り近くの森に入り
頼まれた山菜を採りに行った。


(今日も沢山のお肉を狩れちゃったなぁ〜
本当は晩御飯に使う山菜を頼まれたん
だけど…まぁ、肉が思ったよりも狩れたし
これで、作って貰えば何とかなるかな?)

そんな事を考えながら僕は呑気に
帰宅をしていた。


「ただいまー…今日も沢山、狩ったよ〜
頼まれた山菜は…少ないけど、肉は量が
多いから晩御飯はこれで作ってくれる?」

全く、返事が来なくて…
家の中が不自然な程に静かなのもあり
嫌な感じがして、慌てて両親を
探し始めたがリビングにも部屋にも
居なくて、最後は自分の部屋だけが
残っていた。

恐る恐る、ドアを開けると夕方の
真っ赤な空に、焼けるような夕焼けに
染まっている両親の血だらけの姿と
知らない、見た事のない貴族がいて
僕は、あまりにも衝撃的な事で
状況を把握する事が出来ずに
ただ、浸すら朝まで泣き続けていた。