人付き合いはあまりないようだけど、周りから避けられているわけでもなく、何となく大人しくしているのが好きな人なのだな、というクラスでの地位を確立していて、私は少し仲間意識というか同族意識のようなものを感じていた。
こういう人はどのクラスにも一定数いる。
お互いにあまり関わることはないけれど、それぞれがそれぞれを同族として認め合っているというような存在。
そういう意味で黒井君は私の潜在意識の中で夢に登場しやすい位置にいるのかもしれない。
「柏原さんは」
「へ」
ずっと同じ言葉しか発っさなかった黒井君が突然私の名前を呼ぶものだから、驚いて声が裏返ってしまった。
柏原絵美(カシハラエミ)。
それが私の名前だ。
そんな私の反応を気にすることなく、黒井君は同じ姿勢、同じ表情のまま続ける。
「この部屋、何だと思う?」
……それを黒井君が言うのか。
確かに、夢を作り出したのは私かもしれないけど、夢の中の住人たる黒井君が一番知っていることだろうに。
「何って……
知らないよ。夢だもん」
「……」
それきり、黒井君はまた黙ってしまった。
こういう人はどのクラスにも一定数いる。
お互いにあまり関わることはないけれど、それぞれがそれぞれを同族として認め合っているというような存在。
そういう意味で黒井君は私の潜在意識の中で夢に登場しやすい位置にいるのかもしれない。
「柏原さんは」
「へ」
ずっと同じ言葉しか発っさなかった黒井君が突然私の名前を呼ぶものだから、驚いて声が裏返ってしまった。
柏原絵美(カシハラエミ)。
それが私の名前だ。
そんな私の反応を気にすることなく、黒井君は同じ姿勢、同じ表情のまま続ける。
「この部屋、何だと思う?」
……それを黒井君が言うのか。
確かに、夢を作り出したのは私かもしれないけど、夢の中の住人たる黒井君が一番知っていることだろうに。
「何って……
知らないよ。夢だもん」
「……」
それきり、黒井君はまた黙ってしまった。