「つかれたー」
テーブルの上にはコンビニご飯とスイーツがいっぱい並んでいる。めったに食べることができないコンビニご飯を前にして、お姉ちゃんと私はウキウキでハイタッチをした。もちろんお金を出したのはおじさんとおばさんだ。コンビニご飯なんて高いから買ってもらえない。1年振りかもしれない嬉しいーー!!
モモちゃんは泣きつかれたのか、おやつを握りしめて寝てしまったので、晩ご飯はお姉ちゃんと私と並んで食べる。大人四人は話し合いに出かけてしまった。私達はお留守番だ。
ドリアにしようか牛丼にしようか、あまり食べたらスイーツが入らないから迷ってしまう。ぜいたくな悩みだなぁ。お姉ちゃんは季節限定パスタを広げてポソッと私に聞く「杏はよかったの?金持ちの家に行かなくて」って
「私がいたら迷惑かな?」
逆に聞いてみた。するとバシッと頭を叩かれる。
「2度と言うな」
「はい」
怖いお姉ちゃん復活。妹は逆らえない。
「うちも借金返してもらうから、もう超貧乏じゃなくなるかも」
「節約生活終わる?」
「それはどーかなー。お母さんの節約は趣味になってるから、それは続くんじゃない?」
えーっ!それはイヤだな。
私は悩んでドリアを手にする。そしてふっとお姉ちゃんに告白をした。
「お姉ちゃん。ないしょだけど美鈴ちゃんがね『私は深沢の家の子じゃなくて、本当のお母さんとお父さんは他にいるの』って言ってたんだ。だから私じゃなくて、美鈴ちゃんがおじさんとおばさんの子だと思ったんだ」
「あぁ?美鈴ってあのスーパーの娘?」
お姉ちゃんは大爆笑で床に転がった。
「あの子が?ないない絶対ない!あの四角い顔と上向いた鼻はスーパーの社長とウリだもん。いばってる顔も同じじゃん?DNAって怖いわー!」
ヒーヒーとツボにはまったように涙を流して笑ってる。今日はお姉ちゃん泣いてばっかりだね。