美鈴ちゃんは両手を広げておばさんと抱き合い、感動のご対面のつもりだったけど、おばさんはうるさそう美鈴ちゃんを突き飛ばし、ハイテンションで私の目の前にやってきて「あんず!」と私を強く抱きしめた。大きな車も近くに停まり、サングラスの男の人もやってきた。おじさんは「会いたかった」って、私に抱きつくおばさんごと上から抱きしめるから、くっ……苦しい。号泣するおばさんとおじさん。それから「女の子から離れろ!」っておまわりさんがやって来て、息を切らした先生を引っ張る美和ちゃんがやって来て、美鈴ちゃんはまた恐竜のように泣きだして……もう……わけわかんないぐらい、ぐちゃぐちゃだった。



それから
近くの交番にみんなで移動した。
美和ちゃんが頑張って説明して、私はただうなずき、美鈴ちゃんはほっぺたをふくらませてムッとしていた。おばさんに向かって勝手に走り出した話を美和ちゃんがすると、先生は美鈴ちゃんに『危険な事をしちゃダメ』って怒ったから、美鈴ちゃんのほっぺたはもっとふくらむ。綺麗なおばさんとおじさんは危険人物なので私から離されて、ふしんしゃに間違われるくらい学校の周りをチョロチョロしてたのを、おまわりさんと先生に怒られていた。
先生はおまわりさんとまた連絡を取る事にして、ふてくされる美鈴ちゃんと笑顔の美和ちゃんを引っ張って家まで送る。

そして
残されたのは綺麗なおばさんとサングラスのおじさんと、おまわりさんと私だった。