次の日、晴輝と雨愛が話しているとクラスの男子が話かけてきた
「お前ら付き合ってんの?昨日一緒に帰ってたじゃん」
教室がざわざわし始めた
「違うよ」
雨愛はすぐ否定されたことが悲しかった
「用事があって帰る方向が一緒だったんだよ」
「なんだそっか、晴輝には亜美ちゃんて子がいるもんな」
亜美ちゃん?三ツ矢くん彼女いたんだ、知らなかった
「からかうのやめろよ、管野に悪いだろ」
「悪い悪い」
私……彼女いるのに家とか行っちゃって、やったことって彼女のすることじゃん
どうしよう、三ツ矢くんにおせっかいって思われてたかな、優しい三ツ矢くんのことだから言えたなかったんだよね、きっと……
雨愛は席を立った
「おい、管野」
「ちょっとトイレ」
雨愛は瞳がうるうるしていた
泣いてた?俺と誤解されたのが嫌だったのかな
トイレにいた雨愛は涙をふいた
なんでこんなにすぐ涙がでちゃうんだろう、もうやだ
午後から雨が降りだした
雨愛は傘を差し家に帰ろうと校舎を出た
前に晴輝が傘をささずに歩いていた
雨愛は走っていって晴輝の頭に傘をさす
「また風邪ひくよ」
「いいよ、また誤解されるだろ?管野に悪いし、俺と噂になったら申し訳ない」
「私こそ彼女いるのに家にいっちゃって迷惑だったよね」
晴輝は黙った
「傘使って、私は近いから」
「……ない」
「えっ?」
「彼女なんていない」
晴輝はボソッと答えた
雨愛の傘を持ち
「送る」
二人は歩き出した
無言のまま歩き雨愛の寺についた
「しばらく雨宿りさせて」
晴輝は御堂へ上がる階段に座って空を見上げた
「あのさ、俺と誤解されて泣くほどいやだった?」
「違う、違うのあれは……」
恥ずかしい、自分の気持ちが言えない
晴輝の携帯が鳴った、画面には亜美と出ていた
「出ていいよ、私ちょっと……」
雨愛はその場から離れた、少し時間をおいてタオルと男用の傘を持っていく
晴輝はまた空を見上げていた
「これ、使って」
「ありがとう」
「私が雨女だからいつも雨ばかりでごめんなさい」
「今日泣いたからかな、何で泣いたの?」
「……ごめんなさい」
「聞かせてよ」
「……無理、勇気がない、私なんていつもめそめそして」
「勇気?何の?」
「彼女がいる人にはもういいの」
雨愛は下を向いた
「俺のこと?」
雨愛は黙っていた