みんなの腹の虫が鳴るお昼時。
授業終了のチャイムが鳴った途端、机や椅子の移動で騒がしくなる教室。


その中で私はある1人の人に視線を向け、ため息をついた。
.......涼太だ。


クラスの男子と楽しげに笑いながらお弁当の包みを広げている。
それだけ見れば、何気ない光景の1ピース。


だけど違和感は、1週間ほど前から始まった。


「おはよう」と挨拶しても、視線を逸らされる。
お昼や放課後は4人で過ごしていたのに、今ではクラスの男子と行動を共にしている。


それで涼太が楽しそうなら納得できた。
だけど、そうは見えなくて。
無理やり作った笑顔を貼り付けて、1日を過ごしている。


何かあったのだろうか。
何かしてしまったのだろうか。


理由もわからず、虚しい1週間が過ぎた。