それからは平穏な日々を過ごしていた。
明るく人見知りしない咲希はもちろん、クールで意地っ張りな悠馬も涼太に心を許し、仲良く楽しく過ごしていた。
涼太の可愛らしい無邪気な笑顔を見る度、心臓がドキドキして落ち着かなくなる。
この動悸、知ってる。
昔、光太朗に対してあったものだ。
わかってる。もうそんなに私、鈍くない。
認めてしまおう。
私、この人のことが────。
自覚したときには、涼太は私たちから離れていた。
理由もわからず、避けられているんだ。
────ねえ、どうして。
何があったの?
その瞳の奥で、何を考えているの?
急に暗くなったその瞳、今度は私が晴らすから。
だから、待ってて。