君はすんなりと、いとも簡単に私の中へ入ってきた。
私と、"元彼"の光太朗(こうたろう)、あと咲希(さき)と悠馬(ゆうま)。
この4人は、小学生のときからの幼なじみだった。
だけど光太朗を事故で亡くしたきっかけで、気まずくバラバラになっていた心を、1箇所に集めてくれた。
あれは、修学旅行のときだった。
本音を言い合えていない幼なじみの2人と話をしたい私を見兼ねて、涼太は夜、ホテルの庭に2人を呼んでくれた。
『あたし、怖くて光太朗の話題を出せなかった。2人の顔色伺って、ずっと取り繕ってた.......。ごめんね...っ』
明るい咲希の笑顔の裏に隠された、悲しい本音。
『俺もお前らといると光太朗がいない現実が見えて.......だからずっと避けてた。悪かった』
クールな悠馬が隠してた、苦しい思い。
『私は.......2人と一緒にいたい。光太朗にはもう二度と会えないけど、2人は違う。近くにいるのに届かないなんて、嫌だ.......っ』
涙と共に溢れる言葉は、紛れもない本心。
本音で語り合えた修学旅行の夜、そのときの夜空の星は一段と輝いて見えた。