.......今思い出しても、辛い日々だった。


でも、こんなのおかしい。
あのときと同じように、涼太に避けられただけで苦しいなんて。
まだ手を伸ばしていないのに。


怖いんだ、これ以上傷つくことが。
.......臆病な私。



勢いをつけて、ベッドから起き上がった。
スマホを取り出し、電話帳を開く。


変えようとしない人が、今のこの状況を変えることはできない。


涼太はきっと、訳もなく私たちを避けるはずがない。


涼太が私たちにそっと温かい手を不器用に差し伸べてくれたように、今度は私たちが涼太に手を差し伸べる。


固まった意思を乗せるように、スマホの画面をタップした。