家に帰り部屋着に着替えたあと、ベッドにダイブしたと同時に、今日だけでも何度目かわからないほどの大きなため息をついた。
逸らされる視線、遠ざかる背中。
思い出せば胸が締め付けられるとわかっているのに、脳内で何度も再生される。
こんな思いをするのは、光太朗を亡くしたとき以来。
近くにいるのに、届きそうなのに。
どうしてこんなに遠いと感じてしまうのだろう。
もうこんな苦しい思いはしたくなかったのに。
顔を横に向けると、壁に飾ってある写真が目に入った。
満面の笑みを浮かべる、私と光太朗。
どうして今、あの日を思い出してしまうのだろう。