「そーだぞー 横澤が“好きな人いるから”って振った女は高校入って15人は余裕で越えるぞー」
「えっ横澤そんなにモテモテだったの?!」
15という数字を聞いて美和が驚く。
知っている。それは毎回福山が面白がって教えてくれていたから。
「あいつ高校でモテモテだよ。呼び出されるのもうんざりしてきていたから、助けてやろうと思って、あいつの好きな人の噂を流した。断るのも精神使うってしんどそうだったし」
そう言い切って、福山は私の方に向き直る。
「今話したことが、さっきごまかした噂の真実です。不愉快な思いをさせたこと、ごめん」
「……ううん。言ってくれてありがとう」
福山はこういうところ、本当に誠実だ。