「一体その情報どこで手に入れてくるんだよ……」

「え、私は福山から聞いたよ?」

「あいつ……」


福山なにやってるんだよ……

そりゃ私に横澤の告白事情をリアルタイムで報告してくるやつだからそういうことも言いふらしそうだけれども。


「“面倒な子”がタイプなの?」

「……タイプ、ではないな」

「じゃあなんでその子なの?」


愉快そうに笑いながら尋ねる女の子。


これ本当に告白現場……?

相手、疑いたくなるくらいのあっけらかんとした様子なんだけど。


「んー……なんでだろうなあ」

「今は“南高の人”なんだっけ」

「あのやろうそこまで……」


先ほど私が後輩から聞いた噂は、横澤が否定しないところを見ると事実で、その様子から出どころは福山なんだろう。


これは福山、後で説教コースだな……


いい気味だ。私に隠し事した罰だな。


福山の今後を想像してほくそ笑んでいると、


「あと“中学の同級生”で、中学時代のあだ名は“ランラン”」



彼女が落とした言葉に、そんなことは脳内から綺麗さっぱり消えてなくなった。