……結局、中国も情報がないまま日本を疑ってしまって申し訳ないと思ったのだろう。

 お詫びのしるしとして、来月開催することで合意しているヨーロッパでの首脳会議で、島国日本の高官が安全に渡航できるよう、最大限の配慮をしてくれるということになったらしい。

 実は日本の高官も相当困っていたようだ。

 ヨーロッパまでどのルートで移動するのが一番安全であるか、行ってみないとわからない状況だった。

 当初、同盟国であるアメリカを頼るルート……ハワイまで船で行き、そこからアメリカ海軍に護送されながらヨーロッパへ行こうと考えていたらしい。

 しかし、あまりにも時間がかかり過ぎること、他国の領海を数多く通るルートは危険であるということから、慎重論が出ていたそう。

 国内も混乱状態が続く中、政府高官が長期間国を留守にする影響と、万が一の事態に誰が対応するのかといった声が多く、頭を抱えていたとのこと。

 そこへ今回の中国側からのありがたい申し出……日本にとってはこれ以上ないほどの安全なルートを提示されたという。