十月も末になると、北海道はかなり寒い。

 おばあちゃんと二人でひとつの布団に横たわり、いつもと違う天井を眺めながらラジオを聴いた。


 同じニュースが繰り返される中、いつの間にかうとうとしていたらしい。

 目が覚めると、隣でおばあちゃんが眠っていた。

 ……お母さん、今頃どうしてるかな。

 私達の間で、お母さんのことが話題になるのは少ない。

 でも、いつミサイルが飛んでくるのかわからない今、お母さんがどんな所で、誰と過ごしているのか気になった。

 おばあちゃんとお母さんと私の三人は、よく似ているという。

 お母さんと私は、見た目が似ているだけだと思いたい。

 そんなことを考えながら、またラジオに耳を傾けた。


「……依然として予断を許さない状況が続いております。もうすぐ夜明けとなります。しかし、念のため部屋のカーテンは開けずに、できるだけ窓の少ない部屋でお過ごしください……」