うちで窓のない部屋、おばあちゃんと二人で避難できるところは脱衣所・トイレ・お風呂場しかない。
脱衣所を通ってお風呂とトイレに行く構造になっているから、まずは脱衣所で待機しようと思った。
長期戦になることを考えて、ポットとクッションを持っていく。
おばあちゃんを部屋から呼んで、二人でラジオを聴きながら不安な夜を過ごした。
「おばあちゃん、だんだん寒くなってきたから、お布団持ってくるね」
「ありがとう。ちょうど疲れてきたところだったさ。綺羅が居てくれて良かったよ。おばあちゃんは助けられてばっかりだわ」
「え? ホント?」
「もちろん。おばあちゃん独りだったら、不安でどうしようもなかっただろうねぇ」
「私もおばあちゃんと一緒で本当に良かった」
おばあちゃんの部屋からある程度の布団を運び入れた。
狭い脱衣所は、おばあちゃん一人分の布団を敷くスペースを作るのがやっとだった。
