今入ってきたばかりの情報なのだろう。ペーパーノイズが響いた。
「速報です。日本海沿岸に飛翔体が落下したとの情報が入ってきました。繰り返します。日本海沿岸に……」
はっきりとしたことがわからないせいか、キャスターは同じことを繰り返し伝えるだけだった。
日本海のどのあたりに落ちたのか、調査中らしい。何しろレーダーもGPSも使えないので、時間がかかるとのこと。
『飛翔体って言ってるけど、ロケットのことだろう。中国か、中国のふりをした他の国かも知れない』
「そんなに早く飛んでくるものなの?」
『意外とスピーディーな対応だ。これ、核弾頭を積んでない、よな?』
「まさか。でも、核弾頭を積んで今すぐにでも日本に向けて飛ばせるってことだよね」
『うん。飛ばしてる側はGPSが使えなくても、標的が動かないから方向さえ合っていれば命中させることなんて簡単だろうし』
「あ、何この音……」
ラジオから、いつもの音とは違う、不気味なサイレンが聞こえた。
