【 四章 第十の月~悪魔の夜~ 】
世界中が大混乱に陥った『カルマの火』からもうすぐ四か月が経とうとしている。
日本は相変わらずの節電、自然エネルギーへの転換によって、まだ何とか持ちこたえているといったところ、らしい。
日本の資源は輸入が途絶えたら三か月しか持たない、という定説を覆して、現在も部分的にではあるけれど、電力は供給されているし、最低限のライフラインは確保されている。
だけどそれも本当にあと二・三か月が限界であり、一刻も早く首脳会議を開き、各国が協力してこの災難を乗り越えるといった条約を結ぶことが最優先課題、らしい。
テレビでおなじみだったキャスターが、ラジオ放送で訴えかけていた。
私の生活はほとんど変わっていない。
八時間ごとの停電にも慣れたし、山のように出された学校の宿題はもうみんな終わってしまった。何しろ、私には超優秀な友達がついている。