「それで、守屋医院に泊まり込みしてたの?」
『そういうこと。ホームセキュリティは停電で機能しなくなるけれど、病院は非常用発電のお蔭で対策される上に、人手があるからね』
「じゃあ、三日間ずっと病院にいたんだね」
『そう。で、俺が自宅を離れている間に、両親と実の父親が弁護士立ち合いのもと、話し合っていたらしい。実の父親はしぶしぶ引き下がって、もうここには来ないって念書も取ったから大丈夫って父が言ってた』
……もしかしたら、養子であることをご両親からはっきり伝えられたっていうこと?
それをはっきり聞くのははばかられた。
「お父さんとお母さん、色々大変だったんだね」
『うん。実の父親がいきなり乗り込んできたからには、俺には養子のことを一から説明しなきゃならない。弟達はまだ小さいから隠し通さなきゃならない。その間にも弁護士さんに連絡して対応してもらわなくちゃならない。可哀想なくらい、母が疲れ切ってたよ』