外出できない私の代わりに、おばあちゃんがひとりで買い物を担当するようになって、もうすぐ三か月が過ぎようとしている。
さっき出て行ったおばあちゃんの今日の目標は、お米二キロといくつかの野菜とお肉を買ってくること、だそう。
米や油、大根といった重たいものは一度の買い物で一つしか買えず、それでも四階まで階段を上るのがとても大変だ。
だからおばあちゃんが家を出てから三十分後から、窓の下を見ることにしていた。
おばあちゃんの姿が見えたら、アパートの一番下まで降りて待っている。
高齢で膝の痛いおばあちゃんは、自分の身体を支えるだけで精一杯だというのに、私の分の食材まで買わなくてはならないのだから。少しでも負担を軽くしなくては。
そう考えるのは「家族」に対する愛情からなのか、それとも「おばあちゃん」が倒れないよう、児童相談所へ戻りたくない一心で行う保身からなのか。
私にはもう、わからない。
