明日も君の声が聴きたくて


 色々考えた結果、私は松本君に電話することに決めた。

 優理君の家より失礼ながらハードルは低いし、他に固定電話番号を知っている友達はいない。

 松本君から優理君の家に探りを入れてもらえば、自然な感じになるのではないかと思った。

 我ながらずるいと思いつつ、以前付箋紙に書いてもらった松本君の電話番号をじっと見た。

 もうすぐ、いつもの優理君との電話タイムになる。その時話し中だったら困る。

 私は思い切って受話器を手に取り、番号を押してみた。どうか松本君本人が出てくれますようにと祈りながら。

 四回目のコールで繋がった。


『はい、松本です』

 多分、松本君のお母さんだと思われる女性の声がした。どうやら祈りは通じなかったらしい。

 想定内とはいえ、やっぱり見たことのない大人と話すのは緊張する。

「ちゅ、中央中学校一年A組、科学部で同じ中学校だった安本と申しますっ。えっと、航君? いらっしゃいますか?」