『大丈夫。時々弟と妹がケンカしてるのを仲裁して、勉強教えてやって、親の仕事を少し手伝ってるってだけ。普通の家族と変わらないよ』
以前の電話で、弟の漢字書き取り能力が悲惨過ぎるとか、妹の計算能力が心配だ、などと言っていたけれど、まだ小さいんだから心配し過ぎだよと笑ってしまったことがあった。
でも守屋君にとっては、きょうだいに対する愛情の深さを示す行為だったのだ。
家族のために自分ができることを考え、とことん尽くすつもりでいるのは、私も同じだから解る。だからこそ、聞きたくなった。
「普通の家族って、何?」
『え?』
「私、普通の家族で育ったことがないから、わからないんだよね。親孝行っていうか、おばあちゃん孝行しなきゃって思ってるけど、それが家族だからなのか、義務なのか、保身のためなのか、自分でもよくわからない。守屋君は?」
『……そんなこと、考えたこともないよ』
即答だった。
以前の電話で、弟の漢字書き取り能力が悲惨過ぎるとか、妹の計算能力が心配だ、などと言っていたけれど、まだ小さいんだから心配し過ぎだよと笑ってしまったことがあった。
でも守屋君にとっては、きょうだいに対する愛情の深さを示す行為だったのだ。
家族のために自分ができることを考え、とことん尽くすつもりでいるのは、私も同じだから解る。だからこそ、聞きたくなった。
「普通の家族って、何?」
『え?』
「私、普通の家族で育ったことがないから、わからないんだよね。親孝行っていうか、おばあちゃん孝行しなきゃって思ってるけど、それが家族だからなのか、義務なのか、保身のためなのか、自分でもよくわからない。守屋君は?」
『……そんなこと、考えたこともないよ』
即答だった。
