守屋君の誕生日を最後に、私達学生は自宅待機を命じられた。
大人も外へ出る際には、最大限の注意を払うようにと毎日ラジオや街頭放送で言われ続けている。
私達がデマだったらいいのに、と願ったことは、全て事実だった。
あの日帰宅した私は、おばあちゃんと一緒に夜七時のニュースを見た。
すると、作業服姿の内閣総理大臣が、テレビの前で重大発表をしていた。
できるだけ早く放送しないと、国民生活に影響が出る上、テレビ自体が使えなくなるかも知れないから、という話だった。
話の内容は、私達が調べたこととだいたい同じ。
GPSがほぼ使えなくなってしまったことから、公共交通機関も使えず、それ以外の衛星も今後壊れる可能性大、ということだった。
衛星を使って電波で制御しているものも突然止まってしまうかも知れない。
つまり、いつ何時信号機が止まったり、安全装置が使えなくなったりするかわからない。
今は事故防止が最優先されるとして、子どもは極力外へ出ないで欲しい、という発表だった。
これにも裏があって、いつ何時核弾頭が飛んでくるかわからないから、子どもは外出禁止になったというのが有力らしいと、その日の夜のうちに守屋君が電話で教えてくれた。