私達の披露宴には、作業療法士として立派に働いている一花と、文部科学省調査官になった松本君も出席してくれた。

 忙しいのに快く出席してくれた二人に感謝の気もちを伝えると、二人ともニヤニヤしながらこう答えてくれた。

「優理ののろけっぷりをもう一回眺めようと思って」

「可愛い綺羅を嫁に出すのはもったいないけど、ずっと待ってたらしいからね」


 厳かで、それでいてみんなからの祝福の笑顔あふれる挙式が終わった。

 披露宴もクライマックスを迎え、本来であればここで私が両親に向けた手紙を読むべき場面となった。

 けれど、おばあちゃんが亡くなってしまい、呼べるような親族がいない私を気遣い、優理君が自分の両親に向けた手紙を書いてくれた。

 昨夜、遅くまでずっと考えて考えぬいて手紙を書いていたようだ。

 実は私もまだ、優理君がどんな内容のことを書いたのか知らない。

「当日のお楽しみ」だと言って、読ませてくれなかったのだ。