【 終章 私が変わる日 】


 理科室での告白(?)から八年と少し後。

 予定を上回るスピードで世界は回復していった。

 スマホもネットもテレビもかつてと同じように使える世の中で、旧来通りの結婚式を挙げる私達。

 一昨年亡くなったおばあちゃんに、今の私の姿を見せられなかったのはとても残念だけれど、きっと天国で祝福してくれているはず。

 おばあちゃんを亡くしてから、しばらくの間、私はショックでふさぎ込んでいた。

 おばあちゃんが、私の生活の全てだった。

 そんな私を心配して、優理君は毎日電話をくれた。

 離れていても、気もちは通じる。

 彼のためにも、早く立ち直ろうと努力した。

 それに、いつまでのふさぎ込んでいることなんて、おばあちゃんが望むわけがない。

 私よりずっとハードな仕事をしている優理君に、これ以上心配をかけてはいけないと思った。

 共に支えあえるように、私も強くなろうと誓った。