優理君が、私に目線を合わせて語り掛ける。

「あと七年、待って欲しい。この空の流れ星が全て消える前に、一人前になってこの街に戻ってくるから」

「……何を待つの?」

 私が就職した最初のボーナスでプレゼントを贈って欲しい、なんて言われたけれど、彼も私にプレゼントをくれるのだろうか。

「えっと……君を、俺の家族にするための準備期間」

 何? 家族って言った?

「どうして?」

「君をひとりにしたくないから」


 優理君の言う、ひとりにしたくない、というのはどういう意味だろう。


「私なら大丈夫。おばあちゃんもいるし、一花もいる。一人前の理学療法士になってバリバリ稼いで一人でも生きていけるようになるから」

「ああああもう、そうじゃない。俺が嫌なんだってば。誰かに綺羅を取られる前に、決着をつけちゃおうっていうズルいこと、考えてここに来たんだから」

「どういうこと?」

「俺、自分で言うのもなんだけど、割と将来性あると思う。伴侶としてどうですか?」


 そこまではっきりと言われて、ようやく自分ひとりが勘違いしているわけではなさそうだと気が付いた。


「私でいいのでしょうか? 我ながらあまり優良物件だとは思えないのですが」