【 七章 第一の月 ~新しい朝~ 】

 カルマの火から、半年が過ぎ、一年が過ぎ……あっという間に二年半が過ぎた。

 高三になった私達は、目前に迫った大学入試に向けて、ラストスパートをかけている。

 優理君は北大、松本君は東京学芸大、一花は札幌医大を目指して猛勉強を続けていた。

 私は最初、家庭の事情もあって大学進学をあきらめていたけれど、奨学金をもらえることもあり、理学療法士を目指して、一花と同じく札幌医大を受験することにした。

 一花は一樹君の療育のために作業療法士を目指し、私はおばあちゃんのリハビリのために理学療法士を目指す。

 おばあちゃんは、意識は戻ったものの、左の脳にかなりのダメージを受けてしまい、右片麻痺となっていた。言葉もうまく話せなくなってしまった。

 車いすを使うようになり、今まで住んでいた市営住宅から引っ越しもした。

 スロープとエレベーターのついた新しい市営住宅に移り住み、デイケアを受けながら、リハビリに励んでいる。