話を変えられてしまった。まあいいか。
「前ほど流れてないけれど、冬だから空気が澄んで見えやすいのかな? それと、街の灯りも節電モードで少ないからっていうのもあるかな?」
「うん。今日もはっきり見えるな。この流れ星のどれか一つくらいは、本物が混ざっていると思うんだけど」
「そうだったら、何か願い事をしなくちゃ」
以前、元の世界に戻りますようにという願いごとをしたのを思い出した。
その願いが叶うのは、まだまだ先のことだと思うけれど、確実に今まで以上の良い世界になっている、はず。
だから今度のお願いごとは、これにしよう。
どうか優理君が幸せになれますように。
「綺羅は何をお願いした?」
「ふふふ、内緒。優理君は?」
「俺も内緒。でも、綺羅からプレゼントをもらう頃には叶うといいな、って」
二人で並んでふふふと笑いながら歩いた。ちょっと不思議な感じがする。
前にもこういうことがあったような……。