慌てて平謝りする私に、優理君は笑って教えてくれた。
『いいよ。嬉しい話だったから、安心した。後ろで母も胸をなでおろしてる』
「優理君のお母さんまで振り回してごめんなさいって言っといて~!」
『ああ。あとで伝えるよ。それより、時間が遅くなっちゃったけれど、こっちに来れる?』
時計を見たら、もう六時をかなり過ぎていた。
今からバスを乗り継いだら、守屋家に着くのは七時半過ぎになってしまうだろう。
そんなに遅い時間にお邪魔することは、ご迷惑になってしまう。
「ごめんなさい。今からだとすごく遅くなっちゃうから、今日はやめてもいい?」
『わかったよ。それじゃあ、気を付けて帰ってね。メリークリスマス』
「メリークリスマス」
『あ、あのさ、明日はいつもの時間に電話しても大丈夫?』
「うん。大丈夫だよ」
『それじゃあ』
電話を終えて、急いで病院を出た。
バス停へ走ると、ちょうどバスが来たところだった。
病院から駅、駅から我が家の近くのバス停へ。
クリスマスイブだというのに、雪もイルミネーションもないけれど、私は神様からとっても素敵なプレゼントをもらった気分だった。