【 六章 第十二の月 ~聖なる夜~ 】


 今日もガチガチと歯の根を震わせながら、布団から出る。

 冬から真冬へ、季節はものすごいスピードで動いているというのに、石油の流通はとてもゆっくり、らしい。

 未だに船舶の航行が安定しないため、石油の輸入量はまだまだ足りず、ガソリンスタンドは『車一台につき、一回五リットルまで』という制限をつけている。

 もちろん、灯油もおひとり様十リットルまで、などという制限があり、寒いからとストーブをガンガン着けたら、あっという間になくなってしまう。

 しかし、嬉しいことに、ガスはやっと二十四時間使えるようになった。

 ガスが使えるお蔭で、灯油ストーブが使えなくてもガスストーブが使え、ガス給湯器の我が家はお風呂も今まで通り入れるようになった。

 火力発電所が完全復旧していないため、電気はまだ八時間おきの停電が繰り返されている。

電力不足の中、時々真っ暗になる街の中から空を見上げると、綺麗な流れ星が見えた。

 この流れ星も、以前より少なくなっているような気がする。

 つまり、ほとんどの高高度衛星は破壊されてしまったということ、らしい。