明日も君の声が聴きたくて


 初めて一花とおばさんに会ったあの日。

 おばあちゃんの家に引き取られてすぐのこと。


 クラスに馴染めず、暗い顔をしていた私を、一花とおばさんが家まで迎えに来てくれた。

「辛かったら無理しなくてもいい。だけど、学校での勉強は必ず綺羅ちゃんのためになるよ。お金やモノは他人に取り上げられちゃうことがあるけれど、勉強して身に付いたものは、誰からも取られることはないの。それだけは覚えておいてね」

 そう言って、私のやる気スイッチを押してくれたことを思い出す。

 おばあちゃんが心配しないように、今だけ、今のうちに、弱音を吐いてしまってもいいだろうか。


「おばさんが私のお母さんだったら、きっと幸せだっただろうな」

「ふふふ。嬉しいこと言ってくれるなぁ。よし、今日の晩御飯はおばさんの特製シチューね」

「……ありがとう、おばさん。ごめんね、迷惑かけちゃう……」

「誰も迷惑だなんて思ってないよ。一花も一樹も喜ぶから……あ、先生が出てきた」