おばさんも見たはずだ。メモの内容を。
だけどそれには触れず、私のことだけを気遣ってくれる会話とぬくもりが嬉しかった。
今、優しくされたら、せっかく止まっていた涙がまた溢れてしまう。
私はちょっとだけ上を向いて、それから無理やり笑顔を作った。
「おばさん、ありがとう。でも私、眠くないの。私の代わりにおばあちゃんが眠ってるんだよね、きっと」
おばさんも笑顔を返してくれる。
「そうだね。綺羅ちゃんのおばあちゃん、きっと、たっぷり眠ってスッキリ目覚めてくれるから。どんな夢を見ていたのか、起きたら聞いてみようね」
「うん。それまで、頑張るね……」
すると、おばさんが私にしっかりと向き合って、こう言った。
「綺羅ちゃん、頑張りすぎ。そんなに頑張らなくても、必ず助けてくれる大人がいるから。これからおばさんの家で一緒におばあちゃんの回復を待ちましょう」
よしよしと頭を撫でてくれるおばさんの前で、私は小学四年生の私に戻る。
