先週から、ようやく小中学校の授業が再開された。
一花の弟・一樹君もやっと学校へ通えるということで、一樹君はとても喜んでいたそうだ。そして一花も一樹君以上に喜んでいるように見える。
専門家ではない自分が、一樹君のリハビリや療育をすることが、とても怖かったからだと言っていた。
だからこそ、早くきちんと勉強して作業療法士になりたいという決意も一緒に語ってくれた。
夢があって、その夢を財政面も含めて応援してくれるお母さんがいる一花が眩しかった。
私は、何がしたいのだろう。
私にとって大学進学など、夢のまた夢だ。
おばあちゃんがいるこの家から通えて、安定した収入が得られる仕事を選ぶしかない。
学校が再開されたらすぐにでも担任の先生に相談して、条件に合った仕事を見つけようと思っていた。
優理君と毎日電話で話していたけれど、養子だと打ち明けられたあの日以来、進路の話はあまりしていない。