その日の夕方、久しぶりに一花が家にやって来た。
「えへへ、来ちゃった。お邪魔しま~す。あ、綺羅のおばあちゃん、元気そうで良かった!」
「あら、一花ちゃんいらっしゃい。また背ぇ伸びたんでないかい?」
「うん。測ってないけど、多分百六十五を超えたと思うよ」
そう言って、私より一回り以上大きな靴を脱いでいる。どうせ私は小さくて靴もまだジュニアサイズで十分いける。ちょっと悔しい。
おばあちゃんが私の部屋にお茶を置いてから、自分の部屋にいるよと伝えてくれた。
私達が思い切り喋れるようにという、おばあちゃんからの気遣いだろう。
おばあちゃんの配慮も、一花が真っ先に会いに来てくれたこともすごく嬉しい。でも、形式上一応言っておく。
「ちょっと一花! まだ、外出禁止は解けてないよ!」
「ふふふ。綺羅は真面目ちゃんだなぁ。もうミサイルは飛んでこないよ。だから、ご近所なら大丈夫!」
「そうかなぁ……ところで、一樹君は骨折治った?」
