【 一章 第七の月~七夕の夜~ 】


 頭痛と喉の渇きで目が覚めた。昨日、久しぶりに沢山泣いたせいだと思うが、最悪な気分の朝だった。

 布団を上げて、制服に着替える。まだ六時だけれど、気合いを入れて部屋のドアを開けた。

 すぐにキッチンへ向かい、炊きあがったばかりのご飯をしゃもじでかき混ぜる。今日のご飯も美味しく炊けたようで、ちょっと嬉しくなる。

 まだ起きて来ないおばあちゃんのために玄関へ新聞を取りに行き、ついでにテレビをつけた。この時間の情報番組で世の中の動きとその日の天気、それにしし座の運勢を見ることにしている。


 テレビではちょうど、お天気お姉さんが手描きの可愛いフリップを持って、札幌駅前で天気予報をしているはずだった。

 しかし今日のお姉さんは、沈んだ表情でカメラの前に立ち、フリップも持っていない。いつもとは違う雰囲気にちょっと驚き、片手鍋にだしパックを入れながら、テレビ画面を思わず注視する。

「気象衛星からのデータが届いていないため、昨日までの雲の動きから予想したものとなっております。えー、気象衛星については、現在、原因を調査中とのことですが、詳しい情報が入り次第、お伝えいたします」