「この仕事、辞めれないの?」
また、僕は彼女に質問をした。
ほんとうは、〝どうしてこの仕事をしているの?〟と、直接彼女に訊きたい。
でも、美希さんは悟ったのか、「嫌な質問ばっかりしますね、未来さん」と、少し怒ったように言った。
「ごめん」
僕は、すなおに謝った。
ーーーーーー確かに、それは自分でもそう思った。
「私ね、母親と六つ年上の大学生の兄しかいないの。父親はいないの」
美希さんの言葉を聞いて、僕の思考が停止した。
「………」
返す言葉が見つからない。返答に困る。
「母親も病気がちで働くのはむずかしいし、六つ年上の兄の大学費も後、一年分必要だがら」
ーーーーーーなんとなくだけど、美希さんがこの仕事をしている理由がわかった。
「だから、うらやましんです。両親がいて、大切に育ててもらっている人たちが……」
なにげなく口にした美希さんの本音が、僕の胸をチクチク痛めた。
また、僕は彼女に質問をした。
ほんとうは、〝どうしてこの仕事をしているの?〟と、直接彼女に訊きたい。
でも、美希さんは悟ったのか、「嫌な質問ばっかりしますね、未来さん」と、少し怒ったように言った。
「ごめん」
僕は、すなおに謝った。
ーーーーーー確かに、それは自分でもそう思った。
「私ね、母親と六つ年上の大学生の兄しかいないの。父親はいないの」
美希さんの言葉を聞いて、僕の思考が停止した。
「………」
返す言葉が見つからない。返答に困る。
「母親も病気がちで働くのはむずかしいし、六つ年上の兄の大学費も後、一年分必要だがら」
ーーーーーーなんとなくだけど、美希さんがこの仕事をしている理由がわかった。
「だから、うらやましんです。両親がいて、大切に育ててもらっている人たちが……」
なにげなく口にした美希さんの本音が、僕の胸をチクチク痛めた。