「ねぇ、美希さん」

「なに?」

「やっぱり美希さんは、裕也と仲がいいの?」

もう、残り時間も少なくなってきた頃。僕は、気になっていたことを彼女に質問をした。

「仲がいいというより、ただの幼馴染です。長い付き合いで、よく知った関係です」

ーーーーーーでは、美希さんがこの仕事をしていることも知っているのだろうか?

そのとき、僕は疑問に思った。

「裕也は、知ってるの?」

「なにがです?」

「この仕事のこと?」

「そんなの知らないに決まってるじゃないですか。秘密ですよ、秘密」

美希さんは口元に人差し指を立てながら、静かな声でそう言った。

ーーーーーー幼馴染にも言えないほど、この仕事を続ける意味は一体なんなんだろうか?

そう疑問に思った僕は、「裕也と一緒に帰りたいと思ったことある?」と、遠回しに訊いた。

「そ、それは………」

裕也のことを思い出したのか、口をもごもごする美希さん。口では言えなかったが、美希さんは顔に出でいた。