「えっ!」

僕は驚きの声を上げ、美希さんを見た。

「あ、これからは〝栗原さん〟ではなく、〝未来さん〟と呼びますね」

また、親しげな口調。彼女にそう呼ばれると、前よりも一気に美希さんと仲良くなった気がした。

「それで私が死んだら、未来さんも死にますか?」

「あれは、夢の話だよ。それに、美希さんが死ぬ理由なんてどこにもないじゃないか!僕の見た夢なんか、忘れてくれ。関係のないことさ」

「でも、夢で見たんだでしょ。私が死ぬ夢。それが、現実になるかもしれませんよ?」

「そんな夢……現実になったら最悪だよ。夢ですら、気分は最悪なのに。現実になったら………」

僕は、それ以上口にすることはできなかった。考えたくもなかった。

「夢だからいいんじゃないですか、未来さん。名前の通り、私の死の運命から救うために未来の夢を見てくれたんですよね」

笑みをを浮かべた彼女は僕と違って、明るすぎる性格をしていた。

「それで私が死んだら、未来さんも死ぬの?」

「死なないよ。だって、そんなことはありえないから」

そう言った僕の意見を聞いて、美希さんは「そっか」と一言そう言った。