「美希さん………」

僕の呼吸が荒くなる。心臓の鼓動が、ドクンドクン音を立てる。

「顔が一気に赤くなったけど、熱はないみたいだね。じゃあ、これは一体なんの病気かな?」

からかうような口調で、美希さんが僕にそう言った。

「………」

僕の心は、とても複雑だった。

美希さんは、裕也のことが好き。裕也は、わからない。けれど、もしも裕也が美希さんのことを好きだったら、お金を使って僕は好きな人を無理やり奪っているようで複雑だった。

そんなことを心の中で思っていると、「もしも私が死んだら、未来さんも死にますか?」と、美希さんはいきなり衝撃的なことを口にした。

いつもの親しげな口調ではなく、少し沈んださびしそうな声。しかも、彼女に下の名前で呼ばれたことにまた心臓がドキッとした。