昼待と違って、夜の京都の繁華街は仕事帰りのビジネススーツを着た中高年のサラリーマンや若いOLの人たちが街を歩いている姿が多く見られた。こんな時間に外を歩いているのは、僕は初めてだった。

「………」

京都の繁華街の街並みは、夢を追っているストリートライブを行っている大学生ぐらいの男女数名の若者が元気に熱唱していた。ギターを弾いてる男性に合わせて、女性がマイクで歌を歌っている。僕には上手いか下手じか評価かできないが、そのライブをスマートフォンで通行人が撮影していた。

「………」

僕はそれを気に留めず、美希さんが働いている店に歩いて向かう。

数分後、僕は木屋町通りに歩いて到着した。僕が歩いている細い路地の左側には、川が流れている。その川が欠けた月の光に反射し、水面が美しく輝いている。

道にある屋根付きの喫煙所の中にはスーツを着たサラリーマンが数名おり、空いてる片方の手でスマートフォンを操作したり、缶ビールを飲んだりしていた。