「また、この夢か………」

僕は疲れたような表情を浮かべながら、深いため息をついた。

この土日の二日間、美希さんが僕の夢に出てきた。

美希さんが学校の屋上から飛び降りる、夢。美希さんがトラックに轢かれる、夢。二つとも違うシュチュエーションの夢だが、別れ際に僕に告げる美希さんのセリフは一緒だった。

ーーーーーー『私、こんな仕事をしてるから未来さんは違う女性を好きになった方がいいよ。さようなら、未来さん』

ーーーーーーその言葉が、僕の心を深くえぐった。

「美希さん……」

そんな夢を見ると、余計に彼女に会いたくてなる。それと同時に、風俗の仕事をしている女性は普通ではないという日本の昔からの風習にやるせない気持ちと、どうすることもできない悔しさを感じた。

「会いたい」

開いた僕の口から、本音が漏れた。

夜も更け、みんなが寝た頃。僕は、自分の寝室を出た。そして階段を降りて、リビングに向かった。