「あいつのケガがもっとひどかったら、謹慎処分ももっと長引いていただろうな」

そう思いながら、僕は胸をなでおろした。

「美希さん………」

自分の席に向かって歩くと、僕の視界中央に彼女の姿が見えた。

学校の制服を着ている彼女は、どこにでもいる普通の女子高校生にしか思えなかった。

「美希さん、おは……」

「美希ちゃん、おはよう」

「美希、ノート見せてくれ」

僕が美希さんに話しかけようと思ったそのとき、近くから男性と女性の声が割って入った。

「………」

視線を声のした方に向けると、同じ学校の制服を着た見たことのない男性と女性の姿が僕の目に見えた。

男性は僕の席に座りながら、美希さんと楽しそうに話している。女性は、その横に立っていた。