僕は個室に置かれていた、ベッドに座った。それを見て、美希さんも僕のとなりに座った。

ーーーーーーードクッ。

心臓が波打つ。美希さんといるときは、いつもこうなる。心臓の鼓動が普段よりも激しくなり、なんだか胸が苦しくなる。

「やっぱり、そうですよね。私の仕事を知ったら、驚きますよね」

美希さんの口調は明るかったが、表情はとても悲しそうに笑っていたようだった。

「………」

その美希さんの表情を見た僕は、自分の軽はずみな発言に申し訳なく思った。

「でも、栗原さん。だいじょうぶなんですか?謹慎中、外に出かけても………?」

美希さんは細くて白い首をかたむけて、心配そうな顔で僕にそう訊いた。

「まぁ、だいじょうぶだよ。反省文は書いてないけれど、二週間経てば学校には戻って来れるよ」

「え、反省文書かないと、謹慎処分は解けないよ。だから、学校には戻れないと思うよ。反省文を書いて、しっかり反省したことを示さないと」

「え、そうなの?」

美希さんの発言を聞いて、僕は少し焦った様子になった。