「ふ〜ん」

それを聞いた若い男性は、てきとうに相槌を打つ。

ーーーーーーーなんて、メチャクチャな奴らだ。そんな話を聞くと、僕がしたことなんて全然大したことないように感じる。確かにナイフで人を刺すのは復讐にしては許されることではないが、けれどその男子大学生は父親にそれぐらい恨みを持たれるようなことをしたじゃないか。

となりに座っていた、若い男女のカップルの話を聞いて僕はなんとなくそう思った。

「でもその彼氏も、実は彼女が強姦されてよかったとか思ってるんじゃないのか?」

「え!」

「え!」

僕と若い女性は若い男性の発言を聞いて、同時に驚きの声を上げた。

「ど、どういうこと………?」

若い女性が驚いた顔をしたまま、若い男性に視線を向けた。