「………」

僕は少し疲れた顔をして、好きな女性アナウンサーが出演している番組にチャンネルを変えることにした。リモコンを人差し指で操作したら、すぐに画面が切り替わる。

『おはようございます。エンタメから、社会まで。ありとあらゆる情報をくわしく社会に発信していきます』

画面が切り替わったのと同時に、僕の好きな女性アナウンサーがテレビ画面に映った。

ーーーーーー中学生のころもそうだった。中学に行くのはものすごく嫌だったけれど、この女性アナウンサーを見て学校に渋々登校するのが僕の日常だった。それが、中学生から高校生に僕が変化しただけだ。

この女性アナウンサーの声も好きだが、容姿はそれ以上に好きだった。しかも、この女性アナウンサーが担当して読み上げる、事件や事故のニュースは僕にとって共感が持てる。どうでもいいニュースよりも、僕に近いニュースを報道しているからだろう。