「未来。高校生にもなって。そんな常識的な判断もわからないのか?」
母親のとなりにいた父親が、僕に怒り声を上げた。いつも怒ってばっかりの父親だが、今日はいつも以上に怒っているように見える。
「ほんとよ、なんでそんなものを投げたの?危険なものって、わかってるやろ。そんなもの投げたろ。しかも、謹慎処分って……」
父親に続いて、母親が潤んだ目で僕を見る。
「………」
なにも言い返せない僕は、なにを言われてもさっきから黙ってばっかりだ。
「未来、一体どういうつもりでハサミなんか投げたんや?自分が、大変なことをしたという自覚はあるか?学校にも、二週間も来るなって言われたんやぞ」
父親は眉間にしわを寄せて、問いつめるように僕に訊いた。
ーーーーーー療育手帳をみんなにバレて、いじめられたからです。それが嫌で、ハサミを投げました。大変なことをしたっていう自覚はあるけど、そもそも療育手帳を学校に持って行かせた両親が原因ですからね。それに、こうなったことに対して僕は後悔はないです。
どうせ自分の思いを言ったところで否定されることはわかっていたから、僕は口を閉じたまま心の中で思いっきり不満を言った。
「はぁ。もういい。さっさっと寝ろ」
僕が質問にずっと答えないせいなのか、父親は怒って自分の部屋へと寝に行った。その後、すぐに母親も自分の部屋に寝に行った。
「はぁ」
僕もその場から立ち上がって、二階の自分の寝室に戻ってiPadを開いてなにげなくネットニュースを見た。
《風俗嬢強姦事件で、新たな動きがあり。被害に遭われた娘さんの父親が、加害者の男子大学生を刺す。現場には大量の血痕が残り、刺された男子大学生は重症。犯人の動機は、復讐か……?》
僕がiPadを開いてネットニュースを確認したら、最新の記事の見出しにこの前のニュースがトップ掲載されていた。
ーーーーー常識的な判断か………。
このニュースを自分と重ねるつもりはないが、僕はなんとなくだが容疑者の気持ちがわかる気がした。その気持ちは、よくないことだが………。
母親のとなりにいた父親が、僕に怒り声を上げた。いつも怒ってばっかりの父親だが、今日はいつも以上に怒っているように見える。
「ほんとよ、なんでそんなものを投げたの?危険なものって、わかってるやろ。そんなもの投げたろ。しかも、謹慎処分って……」
父親に続いて、母親が潤んだ目で僕を見る。
「………」
なにも言い返せない僕は、なにを言われてもさっきから黙ってばっかりだ。
「未来、一体どういうつもりでハサミなんか投げたんや?自分が、大変なことをしたという自覚はあるか?学校にも、二週間も来るなって言われたんやぞ」
父親は眉間にしわを寄せて、問いつめるように僕に訊いた。
ーーーーーー療育手帳をみんなにバレて、いじめられたからです。それが嫌で、ハサミを投げました。大変なことをしたっていう自覚はあるけど、そもそも療育手帳を学校に持って行かせた両親が原因ですからね。それに、こうなったことに対して僕は後悔はないです。
どうせ自分の思いを言ったところで否定されることはわかっていたから、僕は口を閉じたまま心の中で思いっきり不満を言った。
「はぁ。もういい。さっさっと寝ろ」
僕が質問にずっと答えないせいなのか、父親は怒って自分の部屋へと寝に行った。その後、すぐに母親も自分の部屋に寝に行った。
「はぁ」
僕もその場から立ち上がって、二階の自分の寝室に戻ってiPadを開いてなにげなくネットニュースを見た。
《風俗嬢強姦事件で、新たな動きがあり。被害に遭われた娘さんの父親が、加害者の男子大学生を刺す。現場には大量の血痕が残り、刺された男子大学生は重症。犯人の動機は、復讐か……?》
僕がiPadを開いてネットニュースを確認したら、最新の記事の見出しにこの前のニュースがトップ掲載されていた。
ーーーーー常識的な判断か………。
このニュースを自分と重ねるつもりはないが、僕はなんとなくだが容疑者の気持ちがわかる気がした。その気持ちは、よくないことだが………。