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『4月10日《木》午後11時15分』



太陽はとっくに西に沈み、今は暗い夜空を迎えていた。果てしない夜空には黄色い満月が浮かんでおり、昼間と違って夜風が涼しく吹く。果てしない夜空に、ぽっかりと浮いてる満月。今日の夜空は星が少ないせいか、より一層満月が輝きを増していた。

平日のこの時間帯にもなると近所の家の部屋の灯りも徐々に消え始め、明日の仕事や学校に行くために眠りにつく人が多い。もちろん、愛犬のビーグルはすでに眠っていた。

ーーーーーーいいなぁ。

そう思いながら、僕はさっきから両親の説教を受けていた。

「なんでこんな子が、私のお腹から産まれてきたのかしら?人に向かって、ハサミを投げるなんて………」

母親の嗚咽声が、僕の耳に届いた。

母親はフローリングの床に両膝をついて、顔をおおって涙を流している。