「しかし、お母さんも大変ですね。こんな子が産まれたら、育てるのもしんどいでしょ。家でも、こんな危険な感じの子ですか?」

母親をなだめた後、すぐに佐藤先生がジロリと僕を見た。その瞳は冷たく、僕のことを完全に見下している目だ。

「すみません、先生。多大なご迷惑をおかけして。家でよく父と叱っておきますので……」

母親は涙ながらに話し、深々と先生に頭を下げる。さっきから、母親は謝ってばっかりだ。

「……わかりました。では、家で反省文を書いて二週間後、学校に提出してください」

そう言って佐藤先生はパイプ椅子から立ち上がって、会議室から出た。