「いた………マジで………いたい………」

今にも泣きそうな顔で、開いた口からうなり声を漏らす。

「栗原、ごめん」

「栗原、少しからかい過ぎた。ごめん」

「栗原、言いすぎたかもしれん。少し、煽り過ぎた」

今さら、周囲からの謝罪の言葉が聞こえる。

ーーーーーーなんだよ。さっきまで散々、煽ってたじゃないか。

僕は周囲の生徒に対して、不満な感情しかなかった。

ーーーーーーガラガラ。

そのとき、教室のドアが開いた。

「おはよ……」

そう言って教室の中に入ってきたのは、美希さんだった。佐伯美希さん。

ーーーーーー最悪だ。なんでこんなタイミングで、美希さんが教室に入って来るんだ。

心臓がドクンと跳ね、僕の頭が一瞬で真っ白になった。